2016年04月26日

ハンドメイドキッチンを作るプロセス 


皆さま、お元気ですか?? 九州の皆さまは本当に心が落ち着かない日々かと思います。早く地震がおさまってくれますように。2次災害・3次災害が起こりませんように…。個人的には川内原発が気がかりで、政府に川内原発の一時停止を求めるキャンペーンに署名をしました。もちろん電気も必要でしょうが、これ以上の取り返しのつかない大きな被害が出ることなく、事態が収束していくことを祈るばかりです。

さて。私の近況は色々あるのですが、今回はハンドメイドキッチンを作ったプロセスを公開させていただきます。というのは…今回の地震のニュースを聞いていたら、一昨日から昨年の家のリノベーションのことを思い出したのです。もちろん、家が災害で被害に遭うことと、家を自分の意思でリノベーションすることは根本が違います。ただ、私にとってはリノベーションによる、きちんと整っていない住環境での生活というのが本当に苦痛でした。
リノベーションと被災地を結びつけて考えるのはどうかとも思いますし、状況が全く異なりますが、整っていない住環境のなかで暮らす大変さは身に沁みてわかりました。リノベーションでも過酷に感じられたので、被災地が復興していく過程というのは、私たちが想像する以上に過酷なのだと思います。しかも、人知れず地道に…。泣き言を言ってはいけない、みんな頑張っているのだから、世の中にはもっと大変な人がいるのだから…そんなふうに苦しさを心に留めるほど苦しくなりそうです。被災地を想って…今の私にできることは、ちっぽけなリノベーション体験から想像力を働かせて、被災地の皆さんに心を寄せることくらいかもしれない…。

というわけで、じゃじゃん!ついに、ハンドメイドキッチンを作るプロセス公開です!基本的に夫と義父がすべての作業を行いました。

まずキッチンと居間の間にあった壁を壊しました(2014年夏)
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キッチンが居間とつながりました(2014年夏)
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裏口側に向けて撮影したキッチン(2014年夏)
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玄関側に向けて撮影したキッチン(2014年夏)
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つながっていた玄関とキッチンをレンガで塞ぎました。作業をしたのは元レンガ職人の義父(2014年夏)
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元々は路上に向かって全面窓だったのですが(2014年夏)
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1つの窓にしました(2014年夏)
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キッチンのキャビネットはユトランド半島西部の家庭から中古で買い取ってトレーラーに乗せて運びました(2014年春)
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こんなキャビネット。中古のうえに倉庫に置いてあったので汚くなってましたし、傷ついてましたが(2014年夏)
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キャビネットの部品を(購入したまま使ってない状態で保管してた方がいたので)ユトランド半島北部の家庭から購入し、傷ついた中古キャビネットを復元しました。(2014年夏)
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キャビネットを仮に設置してシミュレーション(2014年夏〜秋)
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一部のキャビネットのみが設置された状態で、コンロも換気扇もない状態で、私が2児(当時、2歳児と生後1ヶ月の赤子)を連れて入居。夫に「もう家できたよ!住めるよ!」と言われて入居したものの…料理もできないし危険物がいっぱいあって、人間(とくに子ども)が住むべき場所じゃありませんでした。でも、仕方なく住み始めました(2014年10月)
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当時はキッチンだけじゃなく見渡す限りどこもかしこも未完成で、照明も裸電球にアルミホイルとかダンボールとか、そんな状態でした。さらに、居間にも収納スペースができておらず、キッチンの収納スペースもまだ仮状態だったので、収納できない食器・キッチン用品・書物・書類などなどがダンボールに入ったまま居間に積み重なってました。
当時の様子はこちら(2014年冬)
http://tokotoko-dk.seesaa.net/article/410665565.html?seesaa_related=category

さらに、ここで夫がキッチンのリノベーションをやめてしまい、副業のアプリ開発に没頭…。何もリノベーションが進まず、月日だけが経っていきました。寒くて暗い冬の田舎、子どももいて身動きできず(私は運転免許をもってません)、リノベーション中の工事現場のようなカオスな家のなかで悶々と過ごし、私のストレスはマックスでした。もちろん夫への怒り爆発。でも「じゃあ私が作る!」という技術もないし「じゃあ私が業者に頼む!」という経済力もないし、結局は「時間ができたときに自分で作る」と言う夫に頼るしかありませんでした。
コンロがないので料理は基本的に電子レンジとオーブンで温めるだけ。なのに最初は冷凍庫もなくて、冷凍食品を温めることすらできませんでした(もちろん野外が寒いので野外冷凍庫という手はあったのですが、日中に気温がプラスになると解凍してしまうので微妙でした)。もしくは半野外の気温マイナスのところで電気鍋で簡単なものを茹でるだけ(換気扇がなかったので、煮る・焼くは匂いがこもるのでNGでした。揚げるは論外)。炊飯器はあったのでお米は炊いていましたが、これまた蒸気の逃げ場がないので気温マイナスの半野外で炊いてました…。デンマークは日本のようなお惣菜屋さんなどはありませんし、スーパーにも気が利いたお弁当などないので、本当に食には我慢に我慢を重ね、食べたいものを食べられることがほとんどありませんでした。
それなのに、キッチンのリノベーションに取り掛からず、アプリ開発に没頭する夫…。でも、キッチンの話題に触れると夫婦仲に大亀裂が走るので、あまり言えずに1人で悶々…。ひたすら耐える日々でした。

そのまま(ものすごく長く感じた)冬が終わり、春を迎えました。暖かくなり「そーだ。庭があるからBBQならできる!」とグリルセットを購入しました。半年間不可能だった(雨が降らない暖かい日に限り)「焼く」ができるようになり少し元気を取り戻しました。また(カーテンが全くない状態だったので)冬の間は真っ暗だった窓から春の明るい日差しが入ってくるようになりました。あぁ、少し頑張れるかもしれない…。ここで鬱々とした気持ちが少しだけ上向きになりました。

ここで最大の朗報。夫のアプリ開発がひと段落、夫がやっとキッチンのリノベーションに取り掛かる気になってくれたのです。そこからは気持ちがだいぶラクになりました。まだ出来ていなくても、希望・前進を感じられることが重要なのです。

コンロの土台づくりに取り掛かりました(2015年春)
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コンロの下にくるキャビネットを設置(2015年夏)
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3歳の娘と0歳の息子が作業場に興味津々=いつもながらちょっと危ない(2015年夏)
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ここでまた作業が止まってしまいます。最大の難関は換気扇をどこにどう取り付けるか。どうしようかと考え続け、やっとのことで換気扇の位置が決定。取り付け作業をしました。しかし、この時点ではまだ空気を通す穴が開いていませんでした。どうやって空気を外に逃がすのか…。難題がなかなかクリアにできず、再び作業停止。月日が経過しました…。また、コンロ台にはコンロがまだ導入されておらず、虚しく穴が空いてました(2015年夏〜秋)
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そして。ついに2015年10月、夫が空気を外に出す仕組みを考案・実行してくれました。天井に穴を開け、屋根裏に通し、屋根裏からさらにパイプを家の正面側に向けて通すことに成功(2015年10月)。
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コンロも導入され、約1年半の月日をかけて、私たちのハンドメイドキッチンは完成しました(2015年10月下旬)。
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そして、その間に、裏口をリノベーションして冷凍庫・洗濯機・乾燥機を購入・設置しました。キッチン完成後、居間に収納スペースをつくり、書物や書類を収め、ダンボールを眺める生活が終了しました。料理ができるようになり、食べたいものを作って食べられるようになりました。照明を購入して設置しました。テレビを購入・導入しました。仮ですが、カーテンをつけました。2016年1月にはキッチンのキャビネットから食器やキッチン用品・食材を全部出して収納・整理し直しました。ここでやっと気持ちが落ち着きました。家に人も招待できるようになりました。

長い長い1年半でした。このプロセスを体験するのは、もう2度と御免です。私のリノベーション体験なんてちっぽけかもしれないけれど、被災地の復興を想うとき、私はこの体験をもとに考えてしまいます。たとえ命は無事で最低限の生活ができたとしても、贅沢な暮らしに慣れた私たちが不便な生活をするには苦痛が伴います。料理をしなくても生きてはいけます。でも温かい手料理も食べたいし、いつも同じものを食べると飽きてきますし、健康的な食生活をしていないという罪悪感も(とくに子どもに対して)感じます。また、いつもダンボール・裸電球・工事現場のような雑然とした風景が目に入る生活というのは、それだけでも気が滅入ります。工事現場のような場所は、幼い子どもには危険だらけです。実際、立てかけていた大きな絵3枚はすべて台から滑り落ちたり(目を離した隙に子どもが触って)床に倒れたりして、ガラスの破片が子どもの周りに飛び散る事故が2回ほど起こりました。色んなことがありました…。

リノベーション体験でもこんなに大変で鬱々とした気持ちになったので、被災地の復興なんて言ったら、それは本当に気が遠くなるようなプロセスなのだと思います。東北も九州も…。

被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げます。また、これ以上の被害が出ないことを心より祈っています。

最後に。作っているプロセスは夫婦の危機でしたが、なんとか無事に乗り越えることができて良かったです。しかし、ここまでして行うデンマーク人の(デンマーク人のなかでも極端な)DIY精神って何なんでしょう。もちろん経済的理由やクオリティの問題(高額を払って業者に頼んだからと言ってクオリティが良くなるとは限らないという事情)もありますが。とにもかくにも素人が自分の手でキッチンをつくったプロセスはこんな感じです。ものすごい長い時間がかかりましたが…きちんと完成。スゴいです。拍手。そして、今日、料理ができることに感謝です。

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posted by yukapon at 07:06| 芸術・文化・手作り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする